昔ノハナシーミ
日本人と神様
私達日本人の祖先は、大いなる自然の恵みに感謝し、自然の理に畏敬の念を抱きつつ寄り添いながら共存してきました。山、川、土、火、風、水、太陽、月、星、巨木、巨石などの自然、雨のほんの一滴にまで、目に見えない気配やその存在を感じとってきたのです。人々はそれを神と呼び、感謝し祈りを捧げてきました。それだけではなく菅原道真公や徳川家康公など立派な人も神様として祀ることもあります。
日本には「八百万の神(やおよろずのかみ)」がいると言われます。八(や)とは数が多いことを表す言葉で、実際の数ではなく、それ程たくさんということを意味します。日本の国家「君が代」にも「千代に八千代に」とありますが、八千年ではなく「末永く」「いつまでも」という意味になります。
日本の国はその長きに渡って、自然環境や他の生物などそのすべてに感謝を忘れず、争いを好まず、自分たちの子孫が幸せに過ごせる未来を願ってきました。
現代的に言い表しますと、人はひとりで生きているのではなく、家族や仲間も大切ですが、そういった関係だけでなく、太陽や月や自然やその他の生き物、細菌やウィルスなどの微生物に至るまでのすべての循環、連鎖によって生かし生かされているのであり、そのことを理解し感謝をする。そういった謙虚な心が「八百万の神」の信仰に繋がっているのだろうと思います。